手術希望の患者さんへのお知らせ(局所麻酔テープの利用も含めて)

手術希望の患者さんは、下記の内容を一字一句漏らさず目を通して下さい。

当院では、ケガの手当や化膿したおできの切開など緊急性のある手術以外は予約制で各種手術を行っています。日本専門医機構認定形成外科専門医としてふさわしい技術を提供いたします。手術の方法、かかる時間は、診察してみないとわかりません。そのため、初診日は基本的に診察だけになります。空き時間がある場合にはそのまま手術出来ることもあります。血液をさらさらにしている薬を飲んでいても、問題ない場合がほとんどです。病気や手術の内容(当院に必要な器具がない場合、必要な手術時間が長い場合や、局所麻酔では無理な場合、手術後の安静のために入院が必要な場合)によっては、後日の手術になったり、大きい病院に紹介することもあります。実際に診察してみないと判断がつきかねる場合が多いため、必ず受診してください。電話相談は堅くお断りします。

予約方法については、別項、”予約の状況”に詳しく書いてあります。一字一句漏らさず目を通してから、予約をいれてください。

なお、特殊な場合を除いて、手術をすれば、抜糸が必要です。後日抜糸に来てもらわなければならないことを、必ず考えに入れておいてください。

ところで”ペンレス”という点滴の針を刺すときの痛みを弱める麻酔薬含有テープがあります。これを使って、皮膚の手術のときの麻酔注射の痛みを和らげる試みがありますが、私たちがかつて行った大人の顔の手術(形成外科は顔の手術が多く、薬の吸収も良いので)を対象とした試験では、テープを張る時間を30分、60分、90分、120分の4段階に分けて、痛みが楽だったと答えた人が多かったのは、90分、120分貼った人で、それより短いとほとんど役に立たないという結果を出しました(日本形成外科学会第47回北海道分科会発表)。背中、おなか、手のひら、足の裏、といった皮膚の厚いところではまったく役に立たず、データは出せませんでした。子供では皮膚が薄いので、十分効果が期待できます。実際、幼稚園、保育園の子供さんでも、お話がわかってくれるおりこうさんなら、相当数の手術を行ってきました。

大人は、大人らしく、注射の痛みは我慢するしかないようです。テープを使ってもよいですが、十分な効果を得るには時間がかかりすぎます。その分、待ち時間も長くなる・・・。

なお、”ペンレス”は、リドカイン(キシロカイン)という麻酔薬を使用しており、多くは無いにせよ、ショックを起こして命にかかわる危険性があるため、当クリニックでは、自宅に持って帰っていただくことはしません。いざというとき気管内挿管、AEDによる救命救急処置ができる院内での使用に限定しておりますのでご了承ください。私は東京大学麻酔科で半年間研修を受け、気管内挿管セット、AEDなど整えて、緊急時の救命救急処置の備えとしております。