ホクロの診療について

ホクロの診療について

私は形成外科医で、もちろん手術が得意なので、ほくろを取って欲しいと言う依頼がよく舞い込みます。そのような患者さんが、決まって口にするのは、“レーザーで取って欲しい”と言う希望です。レーザーでほくろを取るとどのようになるのか、美容外科・美容皮膚科の宣伝広告や、レーザー専門の教科書を見ると、なるほど跡形なくとれていて、素晴らしい結果だと感心させられます。しかし私の考えでは、あらかじめ少しでも細胞を取って、本当にほくろかどうか確かめてからレーザーを使用するのならともかく、いきなりレーザーで焼いてしまう事には反対です。いきなり焼いてしまうと、細胞の性質を観察する機会が永久に失われてしまいます。ほくろのように見える皮膚癌があるのです。

ここでお見せする4枚の写真。皆さん、どう思われますか?実は、全て皮膚の癌なのです。
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今は、ダーモスコープと言う拡大鏡を使って入念に観察する事によって、良性、悪性の区別を付ける事が可能になっていますが、正しく診断できる確率は、十分訓練を積んだ医師で97%とされています。残りの3%が怖いのです。最終的には、切り取ったほくろを標本にして、顕微鏡で観察するしか、正しい結論を出す事は不可能なのです。私は、ホクロ取りを希望される全ての症例で、メスを使って切り取ります。必ず細胞の良悪を調べる検査に出します。

メスで切り取る手術となると、傷跡を気にされる方が多いのは当然の事ですが、私は短時間に手術を終わらせる事が出来、手術後の傷が比較的目立ちにくい(とは言っても傷跡は切って縫った以上必ず残ります。)、くり抜き・巾着縫合法を用いて手術を行っています。この方法は、ホクロの大きさと場所によっては使えないこともあるため詳細はここでは述べませんが、術前、術後の写真をお見せします。

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術前

術後6ヶ月

術後6ヶ月

術前

術前

術後11ヶ月

術後11ヶ月

術前

術前

術後6ヶ月

術後6ヶ月

術前

術前

術後

術後

術前

術前

術後8ヶ月

術後8ヶ月

上記の5つの症例に関して、傷が目立つか目立たないかは、見る側の主観の問題もありますので、ご自身で判断して下さい。局所麻酔で、手術は10分以内に終了し、翌日から洗顔が可能です。透明な糸を使用しますので、糸が外にさらされている事さえ気にされなければガーゼを当てたりする必要はありません。保険が効きますし、何より細胞の検査で良悪を確かめる事が出来ます。又、よほど込み合っていない限り、手術は来院された当日に終わらせております。

ほくろの治療をお考えの方は、ぜひ当院を受診されるようお勧めいたします。なお、ホクロに関しては、当院は治療中心の立場です。今やダーモスコピーは皮膚科医にとって標準的な診断技術です。診断だけなら誰でも出来るはずです。診断だけご希望の方は他を受診してください。その方が待ち時間が少なくてすみます。あえて当院で診断のみご希望の方は、3個までと限らせて頂きます。手術、生検は病理診断料の保険請求上、同一月に1個だけに限らせて頂きます。
当院における外見上“ホクロ”の形を取る皮膚腫瘍の取り扱い方針は以下の通りです。ダーモスコピーで悪性黒色腫が疑われる場合、手を付けないで基幹病院に紹介します。その他の悪性腫瘍が疑われる場合、生検で出来るだけ診断を確定して基幹病院を紹介します。良性腫瘍は当院で治療します。